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ぼくと名越先生
きのう、科学博物館で面白いペーパークラフトを売っていたので買った。


nakoshi01.jpg
温帯低気圧のペーパークラフト

こんなのよく思いついたなあ、面白いなあ、誰が作ったんだろう、と思って制作者のところを見たら「制作:名越利幸」と書いてあった。

見覚えのある名前だ。
「理科教育」で「名越」といったら、中学校の頃に理科を教わった名越先生を思い出す。

名越先生は当時、30代なかばぐらいのなかなかイケメンな先生で、教材研究に熱心な先生だった。
今でも覚えている研究授業がある。
雲のでき方を学ぶ実験だ。

お湯を張った容器の上に、シャボン玉を膨らませて乗せる。
ドーム状になったシャボン玉の中を見ると、最初は微細な水滴のようなものが見えるが、じきに何も見えなくなる。
その中へストローで息を吹き込むと、ふたたび微細な水滴が出現する、という実験だ。

つまり、飛行機雲ができる原理と同じである。
飛行機が通った跡に燃料のチリがちらばって、それが核となって水蒸気が凝結するように、吹き込んだ息の中のチリが凝結の核となるということが分かる実験である。

理科少年であったぼくは、この実験にいたく感動し、名越先生みたいに新しい実験を考えられる人になりたいものだなあと思ったものだった。

さて、名越先生の下の名前はうろ覚えだったので検索してみたところ、やはりペーパークラフトの作者の「名越利幸」さんは名越先生であるみたいだった。


nakoshi02.jpg

今では岩手大学で、理科教育の教授をやっているようだ。
名越先生、いつの間にそんな要職に……。

さて、当のぼくもちょうど当時の名越先生とほぼ同い年で、同じ仕事についている。
先生に負けないように、なにか理科教育に足跡を残すような教材を開発しなければなあ、と実感する。
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【2013/04/28 10:31】 | 教育研究室 | トラックバック(0) | page top↑|
中学・高校において、生物の系統分類をどう教えるか
先日、理科教育系のネットの某所で「藻類は植物では無いの?」という議論に花が咲いているのを見た。

思えば僕も10年ほど前、中学・高校の系統分類教育について修士論文を書いたのだが、あまり世に広まって無いなあと、その議論を読みながら思った。

というわけで、ちょっとまとめてみます。

●分類とは?
生物の分類はどのようにでもすることが可能だが、科学的には構築された系統樹に基づいて決定された分類が正統であるとされている。(系統分類)
この生物の系統を決定する学問を「生物系統学」という。
極端な系統学者の中には、科学の目的は正確な系統樹を構築することであり、それをどのような分類群に分けるかなどは、もはやどうでもいいと考えている学者もいる。

●藻類は植物では無い?
上記の考えに基づいて、マーグリスの五界説においては、緑色陸上植物は単系統群を成すという理由で「植物界」と定義されている。
なので、それ以外の光合成生物は多細胞化していても、単系統群を成さないという理由で植物に分類することはできない。
よってコンブもテングサも植物では無い。

●五界説とは?
はじめ五界説はホイッタカーが生態学的観点から提唱したため、粘菌が菌界に含まれたりコンブが植物界に含まれたりしたが、マーグリスが系統学的観点により修正を加え、上位3界が単系統群による生物のみに限定された。
その後クロミスタ界が提案されたり、八界説なんてのも出たり、さらには上位概念としての3Domain説が出たりしたが、そもそも科学の目的は系統を明らかにすることであって、界をいくつに設定することが妥当かという点はあくまで人間の概念把握の問題なので、科学的にはわりとどうでもいい。

●藻類の系統をどう分類するか?
そもそも「藻類」という分類は、極めて人為的で雑多な分類群だが、これを系統学的に解析するのも極めて難しい。
光合成をする生物は、共生によって誕生したものであり、誕生した生物がさらに別の生物へ二次共生をしたりするので、光合成生物は単系統の系統樹を構築しない。
例えばユーグレナ藻綱は光合成色素から判断すると緑色植物だが、じつは緑藻類の二次共生で生じた生物なので、単純に緑色植物の系統には分類することはできない。
よって、藻類においては、他の生物群のように単系統で分類群を階層的に規定することが、そもそも難しい。

●中学生、高校生にどう教えるか
人間の素朴概念では、アリストテレスの分類体系にもあるように生物は「動物」「植物」。素朴概念的には多細胞藻類は植物に分類してしまうが、植物界の生物を「陸上で多細胞化している光合成生物」と定義すれば、藻類を植物界から外して教えることができる。(再び水中化した植物もあるという例外には簡単に注意)
高校生であれば、光合成色素の話に触れられるので、系統関係から説明することがより容易になる。

アリストテレスの二界説、ヘッケルの三界説、コープランドの四界説に比較して、五界説は中学・高校生の自然認識の範囲で最もよく系統関係を反映しているので、中等教育で用いるのに適切である。
ただ教員の側が、生物全体のおおまかな系統・系譜を理解しておかないと逆に混乱を生じるので、注意が必要。

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【2012/09/21 20:00】 | 教育研究室 | トラックバック(0) | page top↑|
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