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QRコードを篆刻する
事の起こりは書道室に行った時のこと。
高校生の作った篆刻(てんこく)が展示してあった。


QR_010.jpg
篆刻とは、書道のすみっこに押してある赤い正方形の印です。


QR_030.jpg
なぜかモノクロのコピーで飾ってあるクラスも。


で、このモノクロコピーの篆刻を見て、まさゆきGTは思ったわけです。


QR_040.jpg


「これ、遠くから見るとQRコードそっくりだな……」



こうして、またまた思いつかなくていいことを思いついてしまい、僕の挑戦が始まった。

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篆刻は作ったことは無いが知っている。
たしか石をカリカリ彫って作るのだ。
友人のスーパークラフトマン「五速」のサイト(広報五速)でも見たことがある。

とりあえずは近所の画材店に行って篆刻に最低限必要な道具を買い揃えてきた。

QR_050.jpg
・青田石(大×1、中×1、小×2)
・彫刀(小・中)
・朱肉


しめて2500円くらい。小は練習用に2個。
試しにちょっと彫ってみたら、想像よりも「割れる」感じは無く、意外と彫りやすかった。


続いて、QRコードの準備。
こちらのサイト、『QRのススメ』さんで、サイト名『まさゆき研究所』とURL『http://masayukigt.blog123.fc2.com/』の二つの情報を含むQRコードを作成してみた。

で。できたのがこれ。
QR_Code_large.jpg


これは無理。

これを石に彫るという行為が無理なのは素人にでも分かる。


そこであきらめて全角文字の部分は減らし、URLのみでQRコードを作成してみた。

QR_Code_mid.jpg

んー、できるだろうか……。
これでもかなり厳しそうな気がする。

挑戦するかどうかは保留にして、さらに情報量を減らし、内容はテキストで「masayukigt」だけを含むQRコードを作成してみた。

QR_Code_small.jpg

これならなんかできそうな気がする!

とりあえずは中サイズの石に「masayukigt」のQRコードを彫ることを目標にして実験に着手した。

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まずは僕自身の練習のために、小サイズの石で普通の篆刻を作ってみた。
デザインはこれ。

QR_masayuki_rev.jpg
3分くらいで作った適当なロゴ。

これを左右反転させる。

QR_masayuki.jpg



QR_060.jpg
続いてこれを薄い紙(トレーシングペーパー)に印刷。


QR_070.jpg
石はあらかじめ800番の耐水サンドペーパーで研いでおく。


QR_175.jpg
紙を切り抜いて石にヤマト糊で貼り、彫っていく。


QR_080.jpg
完成。(所要時間:約3時間)


QR_090.jpg
水洗いで紙と糊を洗い流し、朱肉をつける。



でこれを押してみると……




QR_100.jpg
おお! 意外としっかりできてる! 

初挑戦だったが、思ったよりもずっとしっかりできた。
失敗したのは「さ」の横棒くらいだろうか。


QR_110.jpg
嬉しくなって、ついついいっぱい押した。

これで石の「物性」をある程度体得することができたので、満を持してQR篆刻に進むことにした。

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これが今から彫ろうという図案と石。

QR_120.jpg

先に彫った篆刻『まさゆき研究所』と、QR篆刻・小『masayukigt』を比較してみる。

QR_130.jpg

よく見ると、さっき彫ったものよりも線は太く、意外といけそうな気がする。
『研』の字や『所』の字の穴を掘った苦労に比べればいくぶんか楽そうだ。
最初の挑戦で篆刻チェリーを脱皮して自信をつけた僕は、さっそく挑戦してみることにした。

QR_140.jpg
石に貼ってみると、えらい違和感がある。
マヤとかアステカから出土したっぽい。



QR_150.jpg
懸命に彫り進む赤ジャージ男。


QR_160.jpg
できた!(所要時間:約5時間)

QR_170.jpg
洗いたての印面。ここに朱肉を付け……

QR_180.jpg
チェリアアアァァァーー!

世界初、篆刻によるQRコードが誕生した瞬間だ。
中国4000年の歴史と超現代技術の見事なまでの融合!
で、これをさっそくケータイでの読み込みに挑戦してみると……


QR_190.jpg
いったあああああぁぁぁぁーーーー!

やった! やりましたぞ! 読み込み成功!
まさゆき研究所発の世界最初の試作品、『QR篆刻』の実用が確かめられた瞬間。
もうこの感動をどう表したらいいかわからない。
今日から名刺代わりに、この篆刻と朱肉を持ち歩こうかというぐらいに嬉しい。



と、簡単に書いているが、意外と読み込みまでには試行錯誤している。
インクの吸いが良くないとむらが出るので、使う紙にコピー用紙は向かない。ここではいわゆる「わら半紙」とでも言うのか、学校のプリントで使うあの安っぽい紙を使っている。
また、色はやはり黒の方がいいみたいだった。最初に読み込みに成功したのは黒のほうだった。

QR_200.jpg
黒もなかなかやはりいいものです。

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さて、ここまで来たら後には引けない。
読み込みの成否はもはや問題ではない。サイズ「大」を作らないことには、この挑戦は終わらない。

しかし、QR篆刻・小『masayukigt』と、大『http://masayukigt.blog123.fc2.com/』の間には、わりと大きな隔たりがある。下を見て欲しい。

QR_Code_small_rev_red.jpg  QR_Code_mid_rev_red.jpg


彫る上で一番難しいのは1マスだけ空白の部分(赤塗りの部分)なのだが、小では6個なのに対し、大では26個もある。このあたりから、大の難易度が小の比では無いのが分かってもらえるだろう。

それでも後には引けない。
「自分の可能性を、最後まで見てみたいんだ……」
(部員がマネージャーに向けて言うイメージで)

僕は意を決してQR篆刻・大にとりかかった。


QR_210.jpg
貼り付けました! 石彫り開始!

------------------------------

ここで石彫りを進める際に、いくつか僕なりに発見したコツがあるので、それを伝えようと思います。


QR_221.jpg 2、3QR_222.jpg

1・トレーシングペーパーを貼る際に、ぺーパーが水を吸うとシワがより、QRコードの根本が崩れてしまう。なので貼ってすぐ、水を吸う前にわら半紙など吸水性のいい紙に伏せ、おもしを乗せるとよい。

2・水性インクでトレーシングペーパーに印刷するので、水気は大敵。汗が付着するのを防ぐため軍手を着用する。たまった削りカスは息よりも、エアダスターで吹き飛ばす方がベター。

3・まずはカッターナイフで白と黒の境界に傷をつけてから石を削る。こうすると彫石の精度が大幅に向上する。

以上、まさゆきGTからのワンポイントアドバイス×3でした。

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さて、本題のQR篆刻のほう。QR篆刻・大は、所要時間9時間を費やして完成した。


QR_230.jpg
完成! これ石に彫ってるんすよ! 石に!

石を9時間彫り続けるというのはハンパ無い作業だった。親指がめちゃくちゃ痛い。作業から一日明けたこの原稿を書いている時点でもまだ骨がきしむように痛い。

しかし僕の心は完成した喜びであふれていた。結果が気になる。
親指の痛みをこらえ、黒インクをつけてわら半紙に渾身の力を込めて押した。

QR_241.jpg QR_242.jpg
高鳴る胸の鼓動。もう、失敗しても悔いは無い。


そしてを画像認識させてみると……

QR_250.jpg
頑張れ俺のケータイ!


QR_260.jpg
いったああああああぁぁぁっっっ!!!!

読み込んだ! 読み込みました!
やりました! やりました!
認識に手間取ることなく、一発でキレイに読み取り成功。
3日間にわたる僕の努力がいま、完全な形で報われた。

祝杯をあげた缶ビールの冷たさが、僕の右手の親指を癒していく。
その冷たさは僕のほてった心にまで染み渡っていくようだった……。

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結論

今回はこれまでに無い苦難の挑戦となったが、見事成功し、満足のいく結果となった。
アナログQRコードに挑戦した先人は何人もいるが、その先人たちに追いつくことができただろうか。
(参考リンク:「QRコードのり弁をつくる」 「QRコードチョコをつくる」

今後の課題とされる、このQR篆刻の活用法について考えてみた。
・この篆刻とインクを常時携帯し、出会った人にこの研究所をPRしていく。
・書き初めに押してお寺とかに貼り、この研究所の見学者を誘導する。
・僕の死後、墓石代わりに使ってもらう。
・それを5万年後あたり、土の中から誰かに発見してもらう。
・さらに500年後、若き天才学者が解読に成功する。
・「ロゼッタストーン」みたいに、世界史の教科書に載る。


悪くない活用法だ。
頑張って石に彫って本当に良かった。
以上、「まさゆき研究所」がいま、歴史に名を刻んだ、ということで本研究を締めたいと思う。


QR_270.jpgQR_271.jpg
とりあえず年賀状に押しました。
今年も「まさゆき研究所」をよろしくお願いいたします。


関連記事:QR篆刻・附記


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