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いってらっしゃい、市川さん!
僕の勤務校から、今年も3月に多くの卒業生が送り出されて行ったわけだが、中でもとりわけ記憶に残る奴がいた。
名前は市川。
僕が、創設から3年間かかわってきた映画同好会の創設者であり、初代部長だ。

IMG_6949.jpg
脚立から飛び降りる役者を撮る市川

映画を撮ることに甚大な熱意を燃やしまくった男で、3年間、竜巻が駆け抜けるようにごうごうとカメラをまわしつづけて高校生活を終えたように思う。
創作屋タイプの人間があまり入学しない僕の勤務校では、なかなか出会いがたい種類の生徒だった。

ものを創る人間に一番大事な資質はは何か?
それは間違いなく、ものを作り続けられることだろう。
市川の活動を通し、そんな単純なことを僕は改めて実感させられた。

彼が15歳の時、入学してすぐに「映画同好会を作りたい!」と言い出し、ちょっとした経緯があって僕が仮の顧問になった。
だがそこまででは本物かどうかは分からない。

入学した勢いのノリで言ってるだけかもしれない。単に映画撮影に憧れる自分が好きなだけの奴かもしれない。(大学の文芸サークルにいた頃、そういう新入生はたまにいて、たいがいは大して書かずにやめていった)
僕は市川に、「今の時代は自分たちの携帯でも古いパソコンでも、何でも使って映画は作れる時代だから、とにかく撮って作ってみなさい」とだけ言って、ちょっと待つことにした。自然消滅するなら、それまでのことだろう、と。

しかし市川は撮りまくったし、撮ったそばからYouTubeに上げまくった。


初期にYouTubeに上げた動画

その姿は、チビチビながらもの作りをし続けてここまで生きてきた僕ににとって、少なからず心を動かされるものだった。
本当にものを作りたい人間は言い訳をしない。
機材が無いから。時間がないから。そんなことは言わず、拙くても、粗くても、作る。とにかく作る。作る。

昔の話になる
僕も大学1年生の冬、書いていた詩や小説を本で発表してみたくて、文芸サークルに入った。
はっきり言って当時の僕は文章の技術もてんでなってなく、そもそも理系なのに文芸部なんて恥ずかし気持ちも満載でちょっとためらわれたのだが、結局は書きたい気持ちが勝った。
そして拙くても書き続けて、今はとりあえず週末ライターのようなものになることはできた。

そんな自分の姿が重なって、僕もちょっと本腰を入れる気になり、部室を見つけ出してちっちゃな倉庫を作り、生徒会に申請を出して同好会を立ち上げた。
いわゆる、ゼロからの出発である。
そしてともに校内をロケハンし、撮影するときはは裏方を務め、ときには映画に出演もし、文化祭ではのめり込みすぎだろうというぐらいに上映会運営を手伝った。
充実した3年間だった。


こんな作品も作ってた。形になった最初の作品かな。

しかし映画同好会の撮影生活も、決して順調だったわけではない。
映画というのは文章や絵と違ってチーム作業だから、どうしてもさまざまな調整の行き詰まりは出てくる。
部員が減った時期もあった。
しかしそんなことで心が折れたりもせず、市川は決してカメラを回す手を緩めずに、撮れる仲間を探し(なんなら一人でも)とにかく撮れるものを撮っていた。


2人でも撮れる旅動画とか。

ものを創る人間に大事な資質のもう一つは何だろうか。
それはわくわくし続けられることだろう。

わくわくがアイデア産み、アイデアをつなげ作品の核となる。
わくわくが人に伝染し、人を呼び、作品を作る。

この「わくわく」についても、市川はなかなりの才能を持っていたと思う。自分の作品のやアイデアだけでなく、他人の作品や、様々な撮影機材、映画以外の映像作品、音楽にも演劇にいつもわくわくしつづけ、自分の作品へ還元させる情熱を絶やさなかった。

おかげで僕もずいぶん無茶振りされた。
模造刀を持って吹き抜けの2階から飛び降ろさせてくれとか、職員室の真ん中で教師を脅すシーンを撮らせろとか、いろいろな都合上NGを出さざるを得ないアイデアも多かったが、そんな跳ね飛んだ提案をされるたび、実際は波しぶきをひっかけられて喜ぶ子供のように、僕も内心ではなかなかに楽しんでいた。

さて、そんな市川の卒業作品がこちらである。


『虎の剣』第一話

AO入試で早々と映像関係の大学に進路を決めた彼が、持て余した時間を使い潰して撮影した「るろうに剣心」のオマージュ作品である。
狭い階段の踊り場で2ヶ月も延々と殺陣の稽古を続け教職員を呆れさせたが、「ああいう風に自主的にどんどん考えてやるのが、本当の高校生の部活だよな」と意外に評判は良かったりもした。

本作品は彼が貯めた小遣いをはたいて買ったソニーのアルファ(一眼カメラ)を初使用して撮った作品なのだが、新しい道具を手にした喜びが作品の中に溢れ出している。


『虎の剣』第三話 4:37あたりからのアクションシーンが見どころ。

アングル、カメラワーク、シーンのつながり。
その一つ一つに、映像に込められた市川の意思と熱意が感じ取れる。これまでの撮影作品を見てきた僕にはなおさらだ。
高校生の作った映画というのが一般的にどういうレベルなのか僕は知らないが、少なくともたやすくこのレベルに達することは無いのではないか。
あまりに一眼動画がうらやましくなったので、僕もバイクを売り払ってキャノンのX7iを買ってしまった。(まだ何も撮れてないが)


さて、そんな市川は春から大学生で、どんなスタンスで創作に携わっていくのか模索中だ。
演劇をやりたい、なんてことも言っている。
どんな道に向かっても、僕の中にはすべて期待の気持ちしかない。
市川の向かった先で、少しでも多くの人が物を作る楽しみに触れて、共有していってもらえるといいなと思っている。



デイリー記事で使ったこの動画も、じつは市川に撮影してもらった。ありがとうな!

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【2015/03/19 00:00】 | 附記 | トラックバック(0) | page top↑|
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