渋滞になると車の中で必ず車の中でこう言う奴が出てくる。
「これ、歩いた方が早いんじゃね?」
たいていはそんなこと言って笑い合っているうちに流れ出してしまうけど、僕は常々、「もしここで降りて歩き出したらどうなるんだろうか?」 という疑問と好奇心を持ち続けていた。
そして僕は今日、その疑問を解決すべく、勇気を持ってさっそうと友人の車を降りた。
さようなら友よ。
今回、渋滞したのはここ。

箱根の芦ノ湖キャンプ村(
赤字)から、大涌谷へと向かう山道(
橙色)。
この日は秋の三連休の中日、渋滞しないはずが無い。
案の定、僕らは大渋滞に巻き込まれ、頂上の駐車場も40分待ちらしいよと聞き、げんなりとしていた。
そのとき、カーナビの「残り3.2km」の表示が僕の目に飛び込んできたのだった。
そして僕は車を降り、頂上を目指して旅に出た。
渋滞はこんな感じ。出発は14:00。1キロ12分ぐらいで歩いたとしても40分あれば余裕で着く計算。あまり早足になっても研究の本来の目的から外れてしまうので、適正な速度を心がけて僕はもくもくと頂上を目指した。
渋滞は続くよどこまでも。渋滞は思った以上にひどく、途中、道が合流してからはさらに悪化していた。
僕は道すがら写真を撮りつつ歩いていたのだが、それでも負ける気配は全く無く、ぐんぐん車を追い抜いて進んでいくことができた。
どの車の乗客も、僕がわきを通ると手を止めてじっと眺めてきた。
みんな、「うわ、歩いてる奴の方が早いじゃん」と思っているかと想像すると、多少気分がよかった。
この日履いてたのはオシャレ靴。でも余裕。合流以降、車の列の進行はきわめて遅く、圧倒的な勝利になることが確実になってきた。負ける要素が見当たらない。1分に1メートルくらいしか進んでいないのだ。
そこで方向を切り替え、目的を散歩にすることにした。
やっぱり山歩きは楽しい。
車に乗っていたのでは見えなかったものがたくさん見えてくる。
徒歩ばんざい。
美しい山の風景
ロープウェイの駅。
真下から見上げたロープウェイ。
すごく気になった小道。さすがに行くのはあきらめた。 友人に別れを告げてから30分、ちょっと汗ばんできた頃に、あと500mの看板を発見する。
黒塗りは画像加工ではなく、最初からそういう看板だった。
僕以外にも歩いている人がいた。俄然テンションが上がり、思わず早足になりそうになるが、こっちの勝利は確実。
ゴールに向かうアサファ・パウエルのような余裕の心持ちで、残り500mを歩いた。
煙が見えた!大涌谷だ!そして到着。
ゴール時間は14:35。
つまり35分で到着したこととなる。
汗ばんだ肌に、吹き抜ける山頂の風が心地いい。
車チームはまだ到着する気配も無い。
僕は勝者として余裕の心持ちで大涌谷をエンジョイすることにした。
大涌谷から眺める富士山。車チームより一足先にエンジョイ。
大涌谷名物「黒玉子」。5個500円。アツアツ。一足先にいただきます。(この写メを車チームに送ろうとしたけど圏外で送れず。)
ひととおり大涌谷を満喫した後、時計を見ると15:05。あれから一時間以上経っているが、駐車場に戻ってみてもまだ友人の車は到着していなかった。携帯が圏外で連絡が取れないが、きっとまだ渋滞の中でイライラしているのだろう。
そうだ、あいつらにこの残った四つの黒玉子を届けてやろう!
ツッコミをもらえることも期待でき、笑いが取れればイライラも解消。
このアイディア、いろいろな意味で
間違いなくおいしい。そう思いついた僕はルンルン気分で大涌谷を後にし、また渋滞の列に帰って行った。
いまだ続く渋滞。友人の車を探し下山する。(この後待ち受ける悲劇を、この時点で僕はまだ知らない)
簡単に結論を言うと、僕は友人の車を発見できなかった。
車は黒のフォレスターと白のセリカだったが、全く見当たらなかった。
途中で引き返したということも考えられたが、そもそもこの大涌谷観光は、幹事の強い意向によるものだったので、その案が曲げられたとも思えなかった。
ケータイは相変わらず圏外で、連絡もつかず、僕はどんどん下山し、ここは確実に歩き始める前に通ったぞ、という看板のところまで来てしまった。
ここは確実に車に乗って通った。降りる前だ。と思うとほぼ同時に、僕のケータイに着信があった。幹事からだった。
「あ、まささーん? やっとつながった! 今どこいます? あたしたち渋滞ひどいんで途中の姥子駅に車止めてロープウェイで大涌谷に来ちゃったんですよ~」
……ガビーン。
つまり地図で説明すると、

僕が橙色の道を往復している間、車チームは青の矢印のように、車を停めてロープウェイで頂上に向かっていたのだ。
そりゃ見つからないよ……。
時間も足らなかったので再び大涌谷に向かうのはあきらめ、僕はひとり、姥子駅で小一時間ほど友人一行が帰ってくるのを待つこととなった……。
待てど暮らせど来ぬ友人。------------------------------
結論結局僕は、友人たちと一緒に大涌谷観光をすることができず、手元には冷え切った黒玉子4個が残されたかたちとなった。
姥子駅にて撮影。僕の心のように冷え切っていた。旅行で大事なのは時間の節約ではなく、
友人たちと楽しく過ごすことであるという基本的なことにあらためて気づかされる格好となった。
素朴な疑問を探究することから、人生にとって大事なことがわかることもある、ということで今回の研究を締めたいと思います。
黒玉子の行く末。キャンプ場で、友人によって煮卵にされた。友は宝。
確実な反証なんてあげられるわけもありませんし。
それに投稿者さんが、これは心霊写真だという前提で文章を書かれていあかさたな太郎本物の心霊写真としか思えないあーごめ俺だよそれ特別見学者本物の心霊写真としか思えない透けてるね うっすらと!500倍に拡大すると後ろの波が見えるようだ。
後ろ振り返りながらこっち側に歩いてくるように見えるし・・・ごんべ本物の心霊写真としか思えないこれは人だな、シュノーケルか潜水でもしてたんじゃない?通りすがりのネットサーファー